2016.10.20記事一覧へもどる
閑話休題
《珠玉の総務委員会行政視察報告その1》
人口減少社会の到来は、武蔵野市といえども厳しい財政状況が待ち受けています。
公共施設の再編成や未利用地・低利用地の活用や、PPP/PFI(民間手法)の活用などを通じて、より暮らしやすい便利なまちづくりに取り組まなければなりません。
吉祥寺駅周辺や三鷹駅周辺の再開発のヒントをいただくために、初日は「公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団」と京都市が取り組む「ロームシアター京都」の公民連携事業を視察しました。
◎岡崎文化・交流地区計画による賑わいのまちづくり
武家屋敷の歴史と、平安神宮・京都国立近代美術館・京都市美術館・京都市動物園・みやこめっせ(産業会館)等の文化交流施設が立ち並ぶ中に、「ロームシアター京都」(旧京都会館)の改修の取組は位置づけられています。
http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000114087.html
http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000114/114087/okazaki_bunka_kouryu_tiku.pdf
◎巨匠前川國男氏のモダニズム建築
昭和35年開館した京都会館は、京都府内で2000席を超える唯一のホールを備えていました。本改修においても、国際芸術にも応えられるよう舞台を大きくとり、客席を高く迫り上げて、どこからも舞台全体を間近に鑑賞できる設えになっていました。芸術監督を野村萬斎氏が務める「世田谷パブリックシアター」が東京では有名です。興業側としては、1700席から2000席が事業採算的に見合う目安であるともうかがい、「武蔵野市民文化会館」の客席をあえて減らして1000席とし、椅子一脚に10万円を投資したことを、あらためて総括してほしいと思いました。「武蔵野公会堂」のリノベーションに大いに参考にさせていただきたいと強く思いました。
◎ネーミングライツ(命名権)による公民連携事業
「京都市文化市民局文化芸術都市推進室文化芸術企画課」と「公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団」との連携事業であるが、総工費は110億円のうち、50億円をローム株式会社が命名権として出資。50年間ネーミングライツを所有します。今後「京セラ」さんとも他の公共施設で命名権を予定しているとのお話です。
◎「蔦屋書店」とのコラボレーション
財団とCCC(カルチャーコンビニエンスクラブ)との委託事業として、10年間施設の一部を「蔦屋書店」が担い、文化交流地区の食の拠点を担っていました。2階の会議室は、巨大スクリーンとプロジェクターを備え、レセプションにも応えることができます。さらに、バルコニーからの東山の景観を楽しみながらのテラスランチは、まさに珠玉のひとときです。
平成28年1月10日開館してから、わずか20日間で6万人の来場者があったとうかがいました。
これまで、夜8時以降、人っ子一人いなかった平安神宮周辺が、夜11時まで人で賑わう、まさに「リノベーションマジック」ともいえる取り組みを見せていただきました。