深田貴美子の動向

2016.11.08記事一覧へもどる

「ましゅまろ保育園」問題がもたらしたもの

「ましゅまろ保育園」問題で学ばなければならないこと

本件は、武蔵野市政および武蔵野市議会始まって以来の「住民自治を傷つけた」類い稀なる出来事でした。

 

そして、「子どもたちの命を守りたい」という一心で、市に、議会に、実態に基づいて陳情をした市民を、こともあろうに「住民エゴの汚名」を着せて、事業者辞退の結末を迎えました。

かてて加えて、市民代表の複数の議員が、市民に直接話も聞かず、ネットを活用して看過できない発言を流布していたことや、とりわけ9月21日より審議が始まった「決算特別委員会」にて、事実確認もせず、誤認識に立ち、東町市民住民の40年来のコミュニテイ活動、福祉活動等を中傷したことは、議会人としてあるまじき行為だと思います。

「ましゅまろ保育園問題」は、長年にわたる武蔵野市の市民自治に、大きな傷を負わせました。

①武蔵野市の地域と世代の分断

「東町」に汚名を着せて、他の13の町から「恥ずかしいを通り越して、情けない」といった議員による「悪者」ラベリングにより、「武蔵野市の地域間分断」の結末となりました。

一部の議員が「高齢者」vs「子育て世代」の対立軸も作り出し、「武蔵野市の世代間分断」の対立構図を作り出しました。「子育てが歓迎されていないと子育て世代に思わせてしまったこと」が、どれだけの不安を増幅させ、明日の地域人を育てる機会を失わせたことでしょう。

 
②議会の責任放棄

事業化失敗は、それ相応の理由と原因があるものです。「ましゅまろ保育園事件」は、「審査をしなかった」「面接もしなかった」「市の委託した公認会計士の助言を無視した」明らかに行政が引き起こした不始末・不作為が原因です。この失政は、議会が追及せずに誰が追及するのでしょうか。

市政に異議申し立てをした市民の陳情審議の継続最中に、「議事録無し」「傍聴禁止」の無責任な「懇談会」を開催し、陳情否決に持ち込もうとしました。

さらに、原因究明の責務を負う議会が、「原因究明を求める陳情の握りつぶしをした」ことは、市民の負託と信頼を裏切り、自ら議会制民主主義を否定する自殺行為でありました。

③武蔵野の保育の質とは何だったのか。

「子どもプラン武蔵野」の基本理念には、以下の記述があります

「すべての子どもが健やかに育ち、未来に向けて自ら力強い一歩を踏み出す力を身につけること支えるとともに、すべての子育て家庭が安心して子どもを育てられる社会の実現を目指します」

また、基本的な考え方は、「社会の希望・未来である子ども自身の健やかな育ちを尊重し、保障します」とあります。

0歳から18歳までの武蔵野市のこどもたちを育む「公益財団法人武蔵野市こども協会」の設立の理念、それに伴う「武蔵野市保育のガイドライン」は、一体どこへ行ったのか。

武蔵野市のこどもの生命と育ちを支える保育の質を再構築しなければなりません。


義を見てせざるは、勇なきなり─

東町も他のまち同様に、町内会の無い武蔵野市で、毎日の暮らしを丁寧に一つ一つ積み重ね、互いを尊重し、子どもから高齢者まで、支援が必要ならば助け助け合い、我が身のことは後とするさまざまな方々が、縦糸、横糸になり、自治を編み上げ織りなしてきました。

その一本一本は、「信頼」の糸、「共感」の糸。見事な「信頼の構造」を織り上げているのです。

吉祥寺エリアも、他の地区同様に、たくさんの地域課題に目をそらさずに取り組んできました。

  • 近鉄裏の環境浄化運動
  • 外環道路建設問題
  • 子どもを守る家の全市展開
  • 法政一中・一高跡地マンション開発問題
  • 東町下水道合流改善施設建設問題
  • 東町道路問題ワーキング

そして、「ましゅまろ保育園問題」。

まちには、積み上げてきた歴史と文化、そして知恵と見識があります。

私はこのまちで、地域の方々に助けられながら子どもを育て、PTA活動を通して気づきをいただき、青少協、コミュニテイ協議会、日赤奉仕団活動から、過去の地域課題に学びをいただきました。

こたびの「ましゅまろ保育園問題」も、住民の方々の高い調査力・専門家ゆえの分析力・豊かな人生経験からの深いご見識に、全くの後追いの気づきをいただきました。

議員として、面目無いと思うことが、多々ありました。

こたびの「ましゅまろ保育園問題」は、一面的な報道と事実の追及不足が、住民・市民と地域を傷つけたことは間違いありません。

もう一度言う─

「義を見てせざるは、勇なきなり」

市民の真実の声は、決して簡単に消えるものではありません。

このような不条理を見過ごすことはなりません。引き続き、原因の究明を徹底的に調査いたします。

来年度、そもそも「ましゅまろ保育園」への入所予定は、最終的に事業規模を縮小したため、33~36名となりました。4歳・5歳児は初年度該当がなかったからです。

まずは、1年間だけごめんなさい。「境子ども園」の前例に習い、緊急対応をしなければなりません。

折しも、11月4日付、市は「南町3丁目市有地」にて、「平成30年4月を目途に、認可保育園整備の方針」を示しました。今後は、武蔵野の保育の質を担保するために、厳正な「公募審査」を経て、適格性のある事業者決定に取り組む必要があります。

さらに、引き続き、東町にも市有地、都有地、民間地等に保育所誘致を求めていかなければなりません。

 

お知らせ

地域フォーラム「武蔵野の保育を考える」

日時:平成28年11月23日(祝・水) 18時より

場所:吉祥寺東コミュニテイセンター(九浦の家)

参加費:無料 申込60名 子どもスペースあり

基調講演:東京都市大学客員准教授 猪熊弘子氏

パネルディスカッションを予定しています。

共催:吉祥寺東コミュニテイ協議会代表青木一郎

  「東町保育園建設を考える会」代表鳥居なおみ

  「保育の質を考えるむさしのフォーラム」代表会田恒司

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