深田貴美子の動向

2016.03.02記事一覧へもどる

「湘南C-X(シークロス)都市再生事業」と「Fujisawaサステイナブル・スマートタウン」都市計画審議会視察

2月23日(火)都市計画審議会視察で藤沢市の2つの開発事業を視察させていただきました。

「都市再生緊急整備地域」事業:湘南C-X

「湘南C-X」は、平成14年に駅前の「関東特殊製鋼(株)の工場撤退」から始まる、JR辻堂駅北口の約30haの「都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域」事業です。
地区の将来像を、「地域の先導的な産業誘致」「多様な都市活動が広域的に連携する拠点」「湘南ならではのライフスタイルを展開・発信する拠点」として、UR施工による5つのゾーニングと藤沢市をはじめとした19の事業者による地区計画、および市民参加による「地域まちづくり会議」「地区まちづくり市民会議」の合わせ技による整備事業です。
特に、企業立地のための経済的インセンティブとして、神奈川県の施設整備等助成制度や不動産所得税をはじめとした軽減措置、藤沢市の雇用奨励補助制度、固定資産税の軽減などの誘導政策に力を入れている。
また、「地区全体の調和のとれた美しい街並みやアーバンデザインの誘導」として、景観形成を実現するために、景観行政団体として「藤沢市景観条例」「藤沢市景観計画」に沿い、屋外広告物や色彩、植栽にも厳しい指導を行ったという。その甲斐があって、見事な景観を演出していました。
現在、武蔵野市は、景観行政団体となり、本市の条例・計画を策定する意欲が見えない。むしろ、「景観ガイドライン(素案)」として、意見募集中である。
これからの駅周辺の再開発や老朽化した建物の改築の際に、景観を整えていくことをなぜ積極的に取り入れていかないのであろうか。
「武蔵野市まちづくり条例」をガイドラインをもって補強していくとあるが、新規で建設する建物に対しては、規制が働くが、「居ぬき」で用途変更された建物への過度な広告や、既存のまちの品格に適切とはいいがたい看板などには、結局働きかけることはできない。
市民がどれだけ我慢をしているかに敏感であってほしいと思う。

fujIsawaサステイナブル・スマートタウン

「fujIsawaサステイナブル・スマートタウン」は、個人的に9月中旬にうかがい、今回は2度目の訪問となった。
パナソニック工場跡地19haを藤沢市との「まちづくり方針」と協議の上、省エネ、創エネ、蓄エネ技術を核として、自然再生エネルギー活用の地産地消型スマートタウンへと展開。
電力事業者と地域ガス、太陽光発電とAEMS(エリアエネルギーマネジメントシステム)が構築されている。住戸は1000戸、人口3000人の約600億事業である。
パナソニック住宅と三井不動産レジデンシャルのそれぞれの住戸には、太陽光パネルが設置され、リチウムイオン電池が搭載されている。したがって、災害時にも3日間は対応できるとのこと。このシステムだけでも500万円ほどの経費がかかるため、価格帯も5000万から6000万円とのこと。
特色は、CCC(カルチャーコンビニエンスクラブ)の蔦屋書店T-SITEがエリアにあり、カーシェアリング電気自動車や電動自転車のレンタルもオペレートしている。
さらに、施設内には、「タウンマネジメント」育成のしくみとして、クッキングスタジオやタウンマネジメントオフィスもあり、「親と子のコミュニケーション」を「まち親」という名称でコミュニティ形成を目指している。
スマートは電気の話だけではない。健康・医療はもとより、人と人をつなぎ、まちを育てるという実装の段階に進んでいる。
武蔵野のスマートシティは、これからその真価と進化が問われる。

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